シート材料にはどんなのがある?



真空成形で使用するシートにはそれこそ多種多様なものがあります。以下、本当に簡単ですが説明します。
もっと具体的なスペックを知りたいときはお問い合わせ下さい。



アクリル 大別してキャスト板と押出し板があります。これはシートの製法の違いです。キャスト板は固く、冷却中や離型時に割れてしまうことが多く成形にはあまり向いていません。
ABS 単価も相対的に安く、単発成形で最も使われるもののひとつです。ナチュラル、白、黒でしたら規格板があり、小ロットでの入手が可能です。また、黒でしたら表面にエンボスがついたものも規格板が存在します。
塩ビ(塩ビ系) かつては真空成形材料のエースでしたが、近年のダイオキシン等の環境問題で一気に使われなくなりました。比重が重く、単価が高いのも難点です。しかし成形性はシートの中では抜群で、高品位のものが成形しやすい利点を持っています。 塩素が出るため、レーザー加工は出来ません。
ポリカーボネート(PC) 強度と耐衝撃性が抜群のエンプラに属する材料です。単価が高い、レーザー加工すると端面が変色しやすいのが難点です。
PET 耐衝撃性が高いのが特徴です。単発成形ではあまり使われませんが、連続成形の業界では、深絞りに優位で割れにくいのでよく使われています。ブリスターパックなどがその例になります。
ポリスチレン(PS) 単発成形ではあまり使われませんが、連続成形の業界では、部品トレーなどによく使われています。耐衝撃性が弱い部類で、薄く設定すると裂けや割れが起こりやすい難点があります。
ポリプロピレン(PP) 柔らかく、比重が低いので比較的安い部類になります。柔らかすぎて多少成形しにくいところがあり、そのためPEを混ぜて成形性を上げた材料も存在します。接着は不可と考えた方が無難です。
ポリエチレン(PE) 柔らかく、比重が低いので比較的安い部類になります。単発成形ではHDPEといわれる高密度ポリエチレンといったものを使っています。接着は不可と考えた方が無難です。
エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA) 柔らかく、ふにゃふにゃといったかんじです。そういう柔らかさを求められる製品に使用します。比重が低いので比較的安い部類になります。深絞りにはあまり向いていません。


● 規格板

 ある程度流通量があり、シートメーカーが在庫として所有しているサイズ、厚みのシートを規格板といいます。
1000×2000である場合が多いのですが、約915×約1830というサイズも規格になっている場合があります。数枚単位での入手が可能です。 お客様からお引合いを頂いた際、まずそのサイズ、色、材質、厚み、エンボスがこの規格板で対応できるのか否かというのはコストにとってとても重要なことです。
規格板は納期、小ロットの入手に関して非常に有利なのですが、 もし規格板が存在しない場合は、指定色、指定サイズのシートを作成します。色を起こす、サイズを起こさなくてはならない場合は、ロット重量として約0.5〜2トンを求められてしまいますし納期も長く必要です。エンボスの場合は、メーカーの持っているエンボスから選択するようになることが多いです。
 サイズを起こす場合は、前述したとおり大きなロットを求められますが、メリットもあります。真空成形は捨てるところの多い成形です。サイズを起こす場合はジャストサイズが作れますので、無駄がなくなり、製品単価が安く出来る場合はあるのです。 規格板の場合は、規格サイズを1枚で使ったり数等分したりして使用しますが、やはり無駄が多くなってしまいがちです。
もしかしたら弊社に限ってなのかも知れませんが、最近の単発成形のご依頼では、ほとんどがABSになってきました。それだけ流通量も多いためか、ABSは規格板の種類が豊富です。
とにかく、試作、小ロットは規格板。これに尽きます。
その他各材料、規格板が存在するかどうか知りたい場合は弊社にお問い合わせ下さい。

● 価格

 非常に大事ですので、価格に関しても触れておきます。  基本的には比重が高いものは使用体積が同じでしたらそれだけ高くなるのですが、流通量などもあってか価格がこなれている材料とそうでないものがありますので、一概に比重で比較をすることは出来ません。
規格板が存在する場合も、規格板だから安いと言うわけでもありません。規格外のものを起こす場合も、規格板と同じ内容でサイズのみをオリジナルにする場合はさほどコストアップにはなりません。ただし、エンボスを付ける、 着色するなどの場合は確実にコストアップに繋がると思ってください。 基本的に規格板で一番安く入手できるのは弊社ではABSです。 ですから、お見積のご依頼があり、材質自由であった場合は、確実にABSを選択しています。
あとは、耐熱が必要であれば耐熱ABS、風合いが柔らかいものがよければPP系などと、安さ、成形性で適したものを使います。

● 柄もの

 面白いものなのでご紹介しておきます。
外観品となる真空成形品は、現在、着色されたシート色そのままか、塗装、水転写による柄着色などが主流なのですが、真空成形のシートにあらかじめ印刷がされているものを使う方法があります。
塗装や水転写はそれなりの不良率があったり、横持ちも問題になりますので、トータルコストで優位になる場合があります。 難点は印刷が例えば2000mからなどと大ロットになってしまうので、それなりの使用量の製品にしか当てはめられないところです。
その他、メッキ工程を省けるメッキ調シートもあります。ご検討して頂いても面白いと思います。





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